Q 寒冷地ではバッテリー、冷却液、軽油はどんな影響を受けますか?

POINT

  • 寒冷地ではバッテリーの電圧が低下し、エンジン始動性が悪化する。
  • 凍結を防ぐため、ウオッシャー液は目的地の気温に合わせて濃度を調節。
  • 凍結の可能性がある軽油は、燃費を計算し、寒冷地到着後に給油する。

Answer

車載バッテリーの状態は?
車載バッテリーの状態は?

寒冷地では車載バッテリー内部の化学変化が弱まるため、電圧が低下する傾向にあります。この車載バッテリーはエンジン始動用の電源となるため、電圧が低下するとガソリンエンジンの場合、シリンダー上部にあるスパークプラグの火花が弱くなるためエンジンの始動性が悪くなることがあります。また、ガソリン/ディーゼルエンジン問わず、完全に冷え切った状態ではエンジンオイルも冷えており、オイルの流動性が悪くなる(潤滑能力が低下する)傾向にあるためエンジンの始動性も悪化し、スターターモーターの使用時間が長くなる傾向にあります。バッテリーの負担度合いやスターターモーターの容量などから逆算し、高負荷となる連続使用は止めましょう。連続使用は最悪の場合、バッテリーのさらなる電圧低下を招くとともに、スターターモーターの加熱による焼き付き現象を引き起こしてしまいます。そうならないためにも、いつものようにクランキングさせてエンジンが始動しなかったら、しばらく間隔をあけ、その間にバッテリーの電圧を回復させるとともに、加熱したスターターモーターの温度を低下させます。
電解液の比重が下がっているバッテリーをそのまま使用していると、電圧の低下だけでなくバッテリー液そのものが凍結してしまいバッテリーを破損させてしまう可能性があります。電解液の比重の確認は自動車用品店などで販売されている比重計を使う点検方法もありますが、始動時などに普段とは違う様子が感じられたら、ディーラーなどで点検してもらいましょう。またバッテリーの電圧の点検であれば、12V電源ソケットにバッテリーチェッカーを差し込む簡易的な方法もあります。
最近、採用が増えてきたメンテナンスフリーバッテリーは比重の確認ができないため、ディーラーやガソリンスタンドなどで適正な電圧に達しているかどうかをチェックし、不足しているようであれば充電を行ないましょう。

視界確保のために大切なウオッシャー液やエンジンの冷却液は?
視界確保のために大切なウオッシャー液やエンジンの冷却液は?

寒冷地では、溶けた雪が路面の汚れとともに前走車から巻き上げられることが想定されるため、ウインドウウオッシャーの使用頻度が高まります。そのため、ウオッシャー液を切らすことがないように出発前に液量を確認します。ウオッシャー液は使用する目的地での外気温に合わせて濃度の調節が必要です。ウオッシャー液を入れず水道水だけをウオッシャータンクに入れている方も見受けられますが、水道水のままでは汚れの拭き取り性能が落ちるだけでなく、外気温が下がってくると凍結してしまい、肝心な時に視界確保ができなくなる恐れがあります。目的地の外気温が低い場合は、凍結温度の低い寒冷地専用品を使用しましょう。その際はタンクに残っているウオッシャー液を予め抜き取っておきます。
寒冷地では冷却液(LLC=ロングライフクーラント)も凍結の可能性があります。冷却液の凍結はエンジンのオーバーヒートを誘発するほか、エンジンの始動ができなくなるなどの重大な故障を引き起こしてしまうため、使用する外気温に併せて適切な濃度に調整しましょう。

使用する外気温ごとに指定されている軽油の等級
使用する外気温ごとに指定されている軽油の等級

軽油は流動点の違いによって5等級に分けられています。JIS特1号は+5℃まで、JIS1号 は-2.5℃まで、JIS2号は -7.5℃まで、JIS3号は-20℃まで、JIS特3号は-30℃までが、使用できる外気温の目安です。たとえば、外気温がマイナスになるまで低下する場所でJIS特1号の軽油を使用していると、徐々に軽油が凍結しはじめ、最終的にはエンジン停止など思わぬトラブルの原因になってしまいます。それに対してガソリンは、ハイオクでもレギュラーでも凍結の心配はありません。
目的地が寒冷地であれば、そこまでの距離と自車の燃費数値から逆算して、到着後に軽油の残量が可能な限り少なくなるようにしておきます。また、到着次第、速やかに現地の給油所で外気温に適した軽油を給油しましょう。
軽油の種類 流動点
JIS特1号 +5℃以下
JIS1号 -2.5℃以下
JIS2号 -7.5℃以下
JIS3号 -20℃以下
JIS特3号 -30℃以下

※流動点:原油や石油製品の低温での
流動性を示す指標。

2015年01月現在

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