タイヤチェーンはスタッドレスタイヤよりもグリップ力が強く、凍結路において登坂性能を向上させられます。
通常は2本セットで販売されており、駆動輪(動力が伝わって回転する車輪)のタイヤに装着するのが鉄則です。したがって前輪駆動車の場合はフロントタイヤ、後輪駆動車の場合はリアタイヤに装着します。
4WD車は、車種によって装着位置が異なるため、取扱説明書やディーラーで確認するようにしましょう。
駆動輪以外にタイヤチェーンを装着して雪道を走行すると、坂道を上れなかったり、カーブでスリップして車体の安定性を失うことがあります。また、停止時に前輪に荷重がかかる前輪駆動車の場合、リアタイヤに装着すると制動距離も延びてしまいます。
JAFが行った圧雪路の登坂テストでは、前輪駆動車のフロントタイヤにチェーンを装着して走行したところ、勾配12%の上り坂は上りきれましたが、非駆動輪のリアタイヤに装着した場合は途中でフロントタイヤがスリップして上りきれませんでした。また、同じく圧雪路の旋回テストでは、前輪駆動車のフロントタイヤにタイヤチェーンを装着して半径6mのカーブを時速30kmで走行したところ安定して曲がれましたが、リアタイヤに装着した場合は途中でフロントタイヤがスリップして大きくコースを外れました。
2018年12月10日に国土交通省より「大雪時の道路交通の確保に向けた取り組みについて(チェーン規制の検討状況)」が発表されました。この省令の施行により、特に積雪量が多い地方を中心に、今後は一般ドライバーもタイヤチェーンを装着する機会が増えることが考えられます。
また、近年の異常気象を考慮すると、太平洋側の都市部などでも急な降雪の可能性があります。常にタイヤチェーンを車内に備えて、いざという時のために付け方も練習しておきましょう。
2019年02月現在