Q 道路の防災対策はどのようなことをおこなっているの?

POINT

  • 古い設計基準の橋梁を主な対象として耐震補強対策をしている。
  • 豪雨で落石が予想される道路では防護柵やネットを設置している。
  • SA・PAや道の駅では災害用の備蓄品など防災拠点化を進めている。

Answer

災害の拡大を防ぐための対策とは?
災害の拡大を防ぐための対策とは?

気象や地形などの影響によって、日本では多くの自然災害が発生します。災害で道路が通れなくなると救急搬送や物資の運搬が滞り、被害が拡大してしまうかもしれません。そこで国や地方自治体では、道路や通行車両の安全を守るためにいろいろな防災対策を進めています。日本は内陸部に活断層が多く分布しているため、地震の発生が多く、道路への影響も心配されています。
道路の震災対策のひとつとして、国では橋梁(きょうりょう)の耐震補強を行っています。橋梁とは、河川や渓谷などにかかる道路や鉄道の橋のことです。1995年(平成7年)1月に阪神淡路大震災が発生し、兵庫県などで橋梁の桁(けた)が落ちたり、倒壊するなどの被害がありました。この地震では1980年(昭和55年)の設計基準よりも古い基準で建設された橋梁に多くの被害があったことから、耐震補強はこの古い基準の橋梁が主な対象になっています。具体的な対策としては、柱をコンクリートや鋼板で補強するほか、橋桁が落ちないように「落橋防止装置」を取り付けるなどが挙げられます。これにより、東日本大震災では多くの橋梁で落橋や倒壊などの致命的な損傷を回避できたといわれています。また、火災発生時に延焼を防ぐ道幅の広い道路を整備するなども、災害に対する道路の備えといえます。
また、海水面からの高さを表す「海抜表示シート」の設置も進んでいます。これは東日本大震災の津波被害の教訓を受けたもので、国道を中心に設置されています。2014年(平成26年)3月の時点では、全国の約14,000㎞の区間で設置が実現しました。

台風や豪雪でも道路の機能を保つ工夫とは?
台風や豪雪でも道路の機能を保つ工夫とは?

日本は台風が多く、特定の地域に集中して雨が降る傾向にあります。そのため豪雨から道路を守るための対策も進んでいます。たとえば、豪雨によって落石が予想される道路では、落石を受け止めて道路や通行車両を守る「防護柵」を設置しています。落石を防止するネットを張ったり、崩落しそうな斜面をコンクリート製の枠で固定することもあります。
集中豪雨やゲリラ豪雨では、道路が水に浸かってしまう「冠水」(かんすい)も考えられます。冠水の危険が高いのは「アンダーパス」(前後区間と比べて急激に道路の高さが低くなっている区間)で、アンダーパスは全国の市街地に約3,500カ所あるといわれています(国土交通省/2015年4月1日現在)。主なアンダーパスには排水ポンプが設置されていますが、その能力を超えると雨水がどんどん溜まり、通行できなくなってしまいます。そこで排水能力を強化したり、アンダーパス部分の通行規制を行うなどの対策が採られています。また、国土交通省では冠水しやすい道路を示した「道路冠水注意箇所マップ」を公表して注意を呼びかけています。
また、豪雪の恐れがある地域では、雪崩(なだれ)防止柵や地吹雪防止柵などが設置されています。道路の下に水路を通し、そこへ雪を流す「流雪溝」を設置するなど、道路に積もった雪を排除したり、凍結するのを防ぐ取り組みも進んでいます。

サービスエリアや道の駅の災害対策は?
サービスエリアや道の駅の災害対策は?

道路上の防災施設として注目されているのが、高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)、道の駅などです。例えば静岡県内の東名、新東名高速道のSA・PA全36カ所(2015年3月現在)を防災拠点化して、独自に避難訓練や施設内の飲食店では来店客の避難誘導の手順確認、備蓄品のチェックも行われています。SA・PAには救護用のテント、簡易トイレ、食料、水、紙おむつなどの備蓄品がそろい、ある程度の人数が集まっても数日間は補給なしで過ごせる一時的な避難地になる予定です。東名、新東名高速道の一部のSA・PAに隣接する既存のヘリポートを利用して、消防や自衛隊の空路搬送の拠点にもなります。
道の駅では、飲料水、毛布、電源、トイレ、災害資材などの備蓄が進められ、地方自治体によって市民の安否や医療の情報収集と発信の拠点になることも検討されています。いずれも走行中に被災したときは心強い避難地となるでしょう。SA・PAや道の駅を防災拠点化する取り組みは、全国に広がりつつあります。

2016年07月現在

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